クロダカイチの香港建物探記
黒田 海智(くろだ かいち)

東京都出身。コミックテイストを軸としたイラストレーションを製作。2005年に『happiness ten』展、2006年には六本木のスーパーデラックスなどで作品を展示。1998年の初渡港以来、趣味から主に香港の超高層の建築研究とサブカルチャー探訪を行う。

【香港會議展覧中心 :
Hong Kong Exhibition and Convention Centre】

香港會議展覧中心は、灣仔の最も海岸側にある地区にあります。周囲は主に近年埋め立てられた新地区が広がり、多くの超高層オフィスやホテルが林立しています。

その中でも、香港會議展覧中心は最も大きな建物のひとつで、ヴィクトリア湾を挟んだ対岸の九龍側からは、背後の中環中心(Central Plaza)と共に非常に目立つ存在として見る事が出来ます。

香港會議展覧中心は主に二棟の建物から構成されています。ひとつは君悦酒店(Grand Hyatt Hong Kong)や萬麗海景酒店(Renaissance Harbour View Hotel)などが入居している旧館の建物で、もう一方は1997年7月1日の香港返還式の際にも使用された新館の建物の二棟。

それぞれ建設時期の違うこれらの建物は、旧館がビルらしいビルなのに対して、新館は上空から見ると鳥が翼を拡げた様な形をしているので、二つは全く違う機能を果たしていると言う印象があります。(新館の形にちなみ、旧館は『旧翼』、新館は『新翼』と呼ばれています)。
元々この地域は本来の海岸線よりかなり迫出して埋め立てられているのですが、
新館の建物に至っては、更に外へ迫出すようにヴィクトリア湾に突出しています


旧館は香港の建築家である劉榮廣伍振民建築事務所(Dennis Lau & Ng Chun Man)が、新館はアメリカのSOMが設計しています。

ここでは年間を通して数多くの催し物が行われています。産業展から物産展、ペットショー、ブックフェア、トイフェアに至るまで様々。何かしらの『イベント』と言うと、この建物での催しものである事が多いです。
言うなれば、香港の「東京ビッグサイト」や「幕張メッセ」の様な施設ですね。
複数のイベントが同時に開催可能で、大小幾つかのホールを持っています。

ここにはもうひとつ、中国(中華人民共和国)本土の人々限定の『観光名所』があります。
香港の花は『紫荊花』と言うもので、バウヒニアやハナズオウとも呼ばれるランの一種。現在の香港の紋章もこの花から起案されています。香港會議展覧中心の先端には、北京から香港へ贈られた、金色の紫荊花の像が飾られています。
ここを訪れる人は、本土からのツアー客が大半の様です(あんまり、地元の人は見掛けた事ないなぁ…)。


【香港會議展覧中心(旧翼) :
Hong Kong Exhibition and Convention Centre(Old Wing)】

建設年:1990年

高さ:181.0m(最高所)

階数:51階建

設計:劉榮廣伍振民建築事務所(Dennis Lau & Ng Chun Man)

用途:展示場、オフィス、ホテル、住居、その他


【香港會議展覧中心(新翼) :
Hong Kong Exhibition and ConventionCentre(New Wing)】

建設年:1997年

設計:SOM(Skidmore, Owings & Merrill)

用途:展示場


⇒香港會議展覧中心:http://www.hkcec.com.hk/

1
ヴィクトリア湾からの新翼館の眺め。
2
香港會議展覧中心の旧館。
後ろのビルは、中環廣場(Central Plaza)。
3
九龍側からの様子。