Bookshelf
香港の出版物にはおもしろいデザインのものがたくさんあります。日本のような流通上の制限がない香港では、出版物の大きさも形もさまざま。表紙にプリントした写真が貼りこまれていたり、何ページもあるパンフレットが実は長〜い一枚の紙でできていたりと、手の込んだユニークなデザインのものが多いのです。 Bookshelfでは、デザインも中身も楽しい香港の出版物を紹介していきます。
【整整一條利東街】

利東街(Lee Tung Street)は湾仔(Wan Chai)の一区画。


地元では喜帖街(Wedding Card street)として知られ、多くの人がレターセットやカード、名刺などあらゆる紙製品を求めに訪れていました。紙製品が所狭しと並べられた店舗や、通りにあふれかえる看板….利東街の昔ながらの下町の風景は、市の再開発計画により、もうその姿を留めてはいません。

この利東街の風景を残さなければと、Community Museum Projectが特殊な写真・デジタル技術で、半年以上をかけて利東街の店舗や住宅、全ての建物の外観を完全に記録するプロジェクトを行い、2005年にエキシビションが開催されました。その際製作されたのがこの「整整一條利東街」です。

このパンフレット、1枚の紙を折り畳んでできていて、広げるとなんと2mもの長さ!片面には利東街の1ブロックが端から端まで印刷されていて、利東街がそっくりそのまま再現されています。

同じ高さの四角いビルが並ぶ中にも、よく見るといろんな種類の窓枠が使われていたり、窓の外に洗濯物がつるしてあったり、屋上に突然プレハブ小屋が建っていたり…生活の風景が垣間見えます。普段、通りを歩いていると建物を見上げることしかできないですよね? 実際に人が暮らしているビルを上から下まで水平に見る目線はなかなか新鮮。

全体を見回すと、一つの通りの中に実にさまざまな生活の要素が存在することを実感します。裏面には利東街の設計図から様々な看板、建物の扉や郵便受け、配電盤など香港のアノニマス・デザインがまとめられていて、これも興味深いです。




利東街の端から端まで、動画で見ることができます。
Community Museum Project