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Jimmy Ming Shum

San Francisco Art InstituteでBFAを取得し、Pratt Institute New Yorkに留学。2003年にHong Kong Heritage Museum (2003年)、また2004年には清里フォトアートミュージアムに作品が収蔵されている。2005年、米国の雑誌Surface Magazineの"Avant Guardian Award"受賞。Details、Surface、times、Self-service、Vogue China、Mensuno、Vision等多くの雑誌を中心に活躍している。

Jimmy Ming Shum
ファッション雑誌や広告で、売れっ子カメラマンとして活躍中のJimmy Ming Shum。写真に映る人物や洋服の、クールで美しい佇まいの向こうに漂う空虚感。その悲しみや寂しさを捉える彼の視線は、ファッションの仕事から離れて撮影された作品の中に、一層色濃く反映されているのではないでしょうか。そんな彼の、自身の作品に対する姿勢、考え方について、興味深い話を聞くことができました。


1. 最近の活動について聞かせてください。その作品に対する、人々の反応はいかがでしたか?

僕の仕事は雑誌やファッションブランドの広告のためのファッション写真がほとんどです。数ヶ月前から始まった『Vogue China』掲載用の撮影は、自分にとってとても意味のある仕事になっています。僕が小さい頃に両親と中国本土を訪れたとき、人々はみんな紺かグレーの服を着ていました。中国に住んでいる親戚を訪ねるたびに、僕らの洋服や食料を彼らのところに置いてきたものです。10年前は『Vogue China』が発売されるなんて想像もできませんでした。いくつもの海外のファッション雑誌が中国でも創刊され、今の中国で起きている大きな変化を伝えています。人々の生活が豊かになり、やりたいことをやり、好きなものを着られるようになったことは嬉しいことです。中国の雑誌での仕事によって、今中国で何が起きているのかをより多くの人たちに伝えられるので、今この時期に中国で何かをすることができて嬉しいです。

最近では、香港のAllRightsReservedというデザインファームと一緒に制作した、ファッション用ではない写真の撮影がおもしろかったです。ファッションだけでなく、どんなジャンルの写真も本当に好きです。
作品を見た人たちはみんな、いつも僕の作品が好きだと言ってくれます(笑)。


2. 創作活動を始めたのはいつからですか? 自分自身の表現のメディアとして、写真を選んだ特別な理由はありますか?

子供の頃からアートや工作が大好きで、よく絵を描いたり、ペンで絵を描いたり、水彩画を描いたり、木工作で自分のおもちゃを作ったりもしていました。

小学校の頃、Ocean Parkというところに遠足に行ったのですが、その時に母が私にすごくシンプルな作りのカメラをくれたんです。僕は水族館が大好きだったので、写真をたくさん撮ったのを覚えています。その自分が初めて撮った写真のフィルムを見たときに、写真ってなんて刺激的なんだろうと思いました。ローテクなカメラでとった写真は、それほどシャープでもクリアでもないのですが、それでもすごくおもしろかったんです。それで、10才か11才の頃から写真を撮るのが大好きになり、写真が自分のキャラクターに合っていることに気づきました。

人やものを見に出かけるのが好きなので、カメラを持って、いろんなところに出かけて歩き回っては、街の中で自分が観察したいものを撮っています。


3. 主にファッションのフィールドで国際的に活躍されていますが、どのようにして写真家としてのキャリアを始めたのですか。他のジャンルの写真と比べて、ファッション撮影で特に好きなこと、または嫌いなことはありますか。

高校時代に自分自身のカメラを手に入れてから、カメラマンとして働きたいという夢がありました。香港で学校を卒業してからアメリカに留学し、San Francisco Art Institute と、その後 New York Pratt Instituteで、写真と映像製作を学びました。サンフランシスコにいた頃は、もう一人のカメラマンとスタジオをシェアしながら、すでにフリーランスのカメラマンとして働いていました。香港に戻った後、TVの映像コマーシャル業界で働きましたが、運命というべきか、またカメラマンとして仕事することになりました。

アート写真も好きだし、ドキュメンタリー写真、コマーシャル写真……どんなジャンルの写真も好きです。写真を撮るのは楽しいので、ファッションの撮影について特に好きなこと、嫌いなことはありません。人を撮るのが好きで、ファッションに興味があるので、ファッションの撮影を仕事にしているのは、僕にとって自然なことです。興味深く、おもしろい仕事だと思います。


4. ファッション写真以外の作品も多く制作されています。まわりの人々や、街での光景を撮影した作品は、よりストレートで温かい雰囲気が感じられて、とても魅力的です。こういった写真を撮る時に、どのようなことを考えていますか。

ファッションの撮影はアートとコマーシャルが結びついたもので、僕自身のためだけでなく、ブランドや雑誌、クライアントのためのものでもあります。ファッションにも興味はありますが、僕の人生においてファッションよりも大切なことがたくさんあります。自分自身の感情や思想を表現したいという欲求を満たすために、個人でも作品を作っているのです。

地下鉄やレストラン、旺角、渋谷、中華街など、人がたくさん集まる場所で、人を観察するのが好きなんです。彼らがどのような人生を送ってきたのか、そのストーリーに興味が湧くのです。観察しているうちに、ときどき彼らと何かつながりを感じることがあります。そんなときに、僕とその観察対象の間にあるつながりを、カメラを使って捉えているのです。


5. 作品を通じて、見てくれた人にどんなことを伝えたいですか?

良い写真を見たときというのは、例えばそこに写っているものを見ているけれど、その実物を見ているわけではありません。見えているのは、その物自体ではなく、アーティストがその物について考え、感じたことなのです。誰かが僕の作品を見てくれるとき、僕が見たことや感じた世界を、その人とシェアできたらいいなと思います。


6. 好きなアーティストは誰ですか?

たくさんいすぎて、特に好きな人を上げることができません。それぞれとてもユニークな存在です。


7. 日常生活の中で、インスピレーションの源となるのは例えばどんなイベントやものごと、あるいは瞬間ですか?
最近、何かインスパイアされた出来事はありますか?


主に毎日の生活のなかで観察したものからインスピレーションを受けます。いつも街の中で、ガラスのかけらから壁に反射している光の様子や、電車の中から窓の外をぼーっと見つめている人の表情、バス停でバスを待ちながらすごく寂しそうに見える少年と、その顔を射す光……心を動かされた瞬間、記憶がたくさんあります。


8. 自分の作品の中で、特に気に入っているもの、印象に残っているものはありますか?

サンフランシスコのチャイナタウンのある通りで立ち尽くしている老人の写真です。スーツを着て、もみあげが影で隠れるほどの縁のある帽子をかぶっていました。彼の表情から、たくさんの歴史や思い出を感じました。今でも、彼がどんな人生を生き抜いてきたんだろうかと思うことがあります。


9. 現在の香港のクリエイティブ・シーンについてどう思いますか?香港以外の国でも仕事をされていますが、他の国と違うところ、もしくは似ているところはどんなところでしょうか? 自分はどのように関わっていきたいと思いますか?

香港は小さな都市で、一つの国に比べると、マーケットもかなり小さいです。日本やヨーロッパなど、良いデザインとアートに対してリスペクトのある国や、アメリカのようにクリエイターやアーティストが市場でプロモーションするためのシステムがきちんと出来上がっている国と比較すると、香港にはデザイナーやアーティストに対するサポートがまだまだありません。香港の人々はまだあまりアートやデザインに関心がないのです。

でも香港にも良いところはあります。新たな人材にも実力さえあれば、仕事をするチャンスがたくさんあることです。香港の人たちは新しいことに対してはすごくオープンで、企業も新しい人材と仕事をしてみたいと思っています。

そしてこれから、中国が重要なマーケットとなると思います。たくさんの人たちが今中国で何が起こっているのかに注目しているので、香港のクリエイターにとっても、仕事をするための良いプラットフォームになると思います。

僕は常に、自分の作品やアートに対する哲学を他の人たちと共有する機会があればいいなと思っていて、学校で哲学のクラスの講師をしたりもしています。海外でももっと仕事の機会を増やして、それぞれの国のアーティストとコラボレーションしたいと思っています。その中で、香港をもっと知ってもらう機会を作り、他の人たちに香港のアートシーンについて、少しでも理解してもらうことができるのではないかと思います。


10. これからどんな作品を作っていきたいですか? 次の作品のプランなどあれば教えてください。

商業用撮影の仕事を減らし、個人的な作品製作にもっと時間を費やせるようになればいいなと思います。自分で本当に作っていきたい写真のプロジェクトがいくつかあるのですが、その一つが中国についてのプロジェクトです。好景気の今だからこそ、私たちが失くしてしまった大切なものを思い出し、考えることが大切だと思います…多くの慣習や文化は、一度失ったら、もう二度と取り戻すことはできないので。


2006 Mensuno
2006 Mensuno
2005 Mensuno
2005 Mensuno
2006 UNA
2006 UNA
2002 San Francisco Chinatown
2002 San Francisco Chinatown
2004 Mongolia
2004 Mongolia
1997 San Francisco Chinatown
1997 San Francisco Chinatown
1993 San Francisco Chinatown
1993 San Francisco Chinatown
1993 San Francisco Chinatown
1993 San Francisco Chinatown