Profeel : 747

Hung Lam (林偉雄)

香港生まれ。グラフィック・デザイナー、アーティスト。CoDesign Ltd共同主宰。
デザインワークに留まらず、文化、アート、カルチャー分野での国際的プロジェクトに積極的に参加。
グラフィック・デザインで培ったクリエイティビティとビジョンを多様なメディアへと展開し、活動の幅を広げている。
これまで ‘Building Hong Kong redwhiteblue’ (04 香港), ‘My Moleskine’ (04 香港),
“Bombay Sapphire ‘Bluelit’ ” (05 香港), ‘Hide and Seek with Kitty and Friends’展(05 香港)などに参加。
02年には文化庁主催の芸術フェローシッププログラムの一環で来日している。

Hung Lamのサイトはこちら

Profile photo Hung Lam by Kabo
現在香港で活躍中のグラフィックデザイナーとして、また最近ではアーティストとして多方面から注目を浴びているHung Lam。デザイナーとしてキャリアをスタートさせた彼ですが、最近ではさまざまなメディアを用いた、コンセプチュアルなインスタレーション作品を次々に発表しています。

その作品には遊び心もありながら、自分の日常生活や、身のまわりの社会の現状を見据えたシニカルな視線が感じられます。

現在、Hong Kong Heritage Museum で開催中のMegARTstore展に加え、7/27から始まるHello Kitty Secret House展への参加も控えているHungに、メールインタビューに応じて頂きました。


- 最近の活動について教えてください。

2つのインスタレーション作品を製作しています。1つはHong Kong Heritage Museumで現在開催中の MegArtStore Art exhibitionで展示している "Home & Garden"。これは今までで一番強烈で集約的なインスタレーションで、アイディアを発展させて実際にセットを作るまで1年近くかかりました。

もう1つは日本のスーパーキャラクター、Hello Kittyのインスタレーション。アーティストとしてサンリオの仕事をするのは2回目で、 昨年はマイメロディの頭部を使ってコンセプトを表現しました。今年はその代わりにKittyを使った作品で、タイトルは“Hello Kitty Party Queen”(笑)。キッチュでしょ?! 今回は自分の表現を打ち破ることに挑戦しています。静かなのはもうたくさん! “Hello Kitty Secret House"展は7月末から始まります。


- 作品を作り始めたのはいつ頃で、初めて製作した作品はどんなものですか?

ほとんどの作品は、エキシビションに招待されて製作したもの。

1997年から文化事業のポスター製作を始め、2004年にはインスタレーション作品の製作も始めています。

多くのアーティストと違い、最初のインスタレーションは展示用ではなく、湾仔にあった利東街の取り壊しに対する静かな抵抗として2004年に製作したものでした。

当時、政府の地域再開発政策により、住民はずっと暮らしていた家を追い出されてしまって、怒りや嘆きを伝えようとデモ行進などが行われていました。利東街コミュニティに深く関わっていた建築家に声をかけてもらい、私は何か作品を製作して、その崩壊と家がなくなることへの感傷を明らかにしようと思いました。

取り壊しに対して私が考えたのは、人々が去った後、彼らの間の相互関係が崩れてしまうということ。それで、黄色いロープを使って、住民達に通りをはさんで窓から窓へとそのロープをつなげていくよう依頼しました。言い方を変えれば、そのロープで全ての家を一つに繋いだのです。窓と建物の間に張られたロープが、人々のネットワークや繋がりを象徴するビルや窓の間を実際につなぎ、建設業者は取り壊しの際にこのロープを切断しなくてはならなかった。これは住民たちのネットワークの崩壊を象徴しています。近隣住民の方達と一緒に、何度もミーティングをしてこの作品のコンセプトを明確にしていきました。


- 作品を作りたいと思ったり、インスパイアされるのはどんなできごとや物事や瞬間ですか?

作品はほとんどが自分の子供時代や日常生活からインスパイアされています。小さい頃、住んでいた団地の近所で探検したり遊びまわったりした、楽しかった記憶が、作品製作の特別な要素になっています。「好奇心」が私の製作のモチベーションです。


- 最新作 "Home&Garden"について聞かせて下さい。

これは、水槽の天井に設置したテレビの光源によって水槽の中の植物が育っていく、という作品です。


- この作品のアイデアはどこから? テーマは何ですか?

この作品を展示してあるMegArtStore Art exhibitionがいくつかのセクションに分かれていて、その中で私に与えられたのが”Home and Garden”というテーマでした。

香港で育った人々にとって、”Home and Garden”というコンセプトはあまり馴染みのないものだと思います。”Garden”は家族や友人が集まり、リラックスしたり楽しんだりする場所。でも香港人の大多数はそのような”Garden”を持つ生活をしたことがありません。

私達の多くは密集した環境で育っています。家にいれば、唯一動き回れるのはテレビの前の小さなスペースだけ。テレビ番組が家族の会話の話題になります。このテレビセットが私達の”Garden”――家族が楽しい時間を過ごすバーチャル・ガーデンなのです。

“Garden”では、テレビセットを近くに設置し、家族の生活の中心になる場所を設定。そしてこれが、4面を壁で囲まれた家の中での私達の成長と関係しているのです。今や私達は日光の恩恵を受けず、テレビからの容赦ない光で持ちこたえているのです。


- 自分は「テレビ世代」だと思いますか? テレビの影響は大きいと思いますか?

小学生の頃、日本のアニメ番組をたくさん見ていました。例えば『ドラえもん』とか、すごく想像力豊かな番組だった……。たまにアニメで見たことを実際にやってみたり、絵に描いてみたりしていました(笑)。

でも最近はニュース、National Geographic、Discovery Channelなど、世界中のどこかで何が起こっているのかを知るために見る、という程度です。


- エキシビションを見に来た人達の "Home&Garden"への反応は?

最初はだいたい水槽の中を覗いて、何が入っているのか見ようとします。

魚がいるのかなとか……。でもしばらくして作品に近づくと、音が聞こえて光が急激に変化していくのがわかります。その光源をたどると、「あ、テレビ」とピンとくるようです。


- 展示が終了する11月には、作品がどのようになっていると思いますか?

植物は元気がなくなっているでしょう。テレビの前に一日中座っている人々とまったく同じように。


- 自身の作品で特に好きなもの、印象的なものを1つ挙げて下さい。

好きな作品は“Rain“です。これは美術館で展示した最初のインスタレーションで、作品が人の心に触れられるということを知ることができた作品です。


- 現在の香港のアートシーンについて、どう思われますか?

香港は経済志向の都市です。ここでは、アートは私達の生活とうまく馴染みません。「アートなんて金儲けにはならないのに、なんでそんなことするんだ?!」と考える人はまだたくさんいます。プロのアーティストとして生きていくのは本当に大変。アーティストは学校で教えながら、残りの時間を製作に当てるといった、パートタイムの副業をしながらの生活が普通です。

私の場合は、フルタイムのデザイナーであり、フルタイムのアーティストです。この2つのアイデンティティが場合によってクロスオーバーしています。


- これからどんな作品を作っていきたいですか?
- 次回作の計画など具体的にあれば教えてください。

アーティストやデザイナーとのプロジェクトで、立ち上げたいものがいくつかあります。


- 最後に、日本であなたの作品を見ている人達にメッセージを。

Hi! いつか日本で個展ができたらいいなー。
Bonding
Bonding
Home & Garden
Home & Garden
Hello Kitty Party Queen
Hello Kitty Party Queen
※画像をクリックすると映像をご覧頂けます
Designer Charity Sneaker Project
Designer Charity Sneaker Project
My Melody
My Melody
Rain
Rain
※画像をクリックすると映像をご覧頂けます。
Rhythm
Rhythm